Me, don't on Nobody's Side...Bob Marley | 天文航路

天文航路

ホロスコープの天頂(天職の位置)にイマジネーションの惑星、海王星が輝くのに現実は土星のリアリズムがどっしりのギガ級の日々・・・。

ボブ・マーリー

1945年2月6日 ジャマイカ セント・アン 生まれ。

太陽・水瓶座、月・蠍座。

(射手座を上昇宮/アセンダントとする占星術家もいるようだが、

誕生時間データが信憑性を満たさないと個人的に判断し、ソーラーチャートで算出)。


まず、ホロスコープのなかで目立つのが、

”蟹座の土星”を頂点として両方向それぞれに、

”牡羊座の金星”、”天秤座の海王星”と90°のハードアスペクトを形成する、”活動宮でのT-スクエア”。


自身が帰属する地域社会、故郷に疎外感を感じやすく、孤独になりやすい上に、

家族を含む親しい人間に対しても現実的に愛情を出すことへの感情的躊躇もある。

”愛を得ること”に対する悲観的かつ悲愴感のイメージ・・・。

それ故、”愛を得ること=愛を与えること”のエネルギーのレセプターを、

個人と個人の世俗的な愛情よりも更に深遠な”人類愛”を求める受け皿としていく・・・。


”蟹座の土星”と”天秤座の傷を癒す星キロン”も90°のハードアスペクトであり、


これは、権威、モラルとの確執との問題を孕み、多くは幼少時における父親との関係性の困難さを表す。


キロンは、”牡羊座の金星”とも180°オポジション、”天秤座海王星”とはコンジャンクション。

キロンも”活動宮のT-スクエア”と絡んでくる・・・。

時には、わざとダメな自分を演出して恋愛においては、”ドンファン的”になるか、

或いは、極端に”世俗的な堅物像”を演じることもある。

最終的には、個人の恋愛感を超越して傷ついた人々や病んだ社会構造を救済していくことが、

自らの魂の救済へと導かれていったのであろう・・・。


さて、金星と土星を含む絡みはかなりの激しいものがあるが、

一方、”牡羊座金星”は、ホロスコープのなかでソフトなアスペクトも形成している。


それは、”牡羊座金星”を頂点とした”小三角”のアスペクトのエネルギーの流れで起こり、

”牡羊座金星”、”水瓶座水星”、”双子座天王星”の三惑星の”風の宮”と”火の宮”にある。

”風”が持つ”思考”が、”火”の”高揚”を突き上げる作用である。

鋭い感受性、朗々としつつもウィットに富む、人と違った方法(言葉)を使って、

常に人々に新しいメッセージを発信していく能力だ。


また、”双子座天王星”を頂点とした、”牡羊座金星”、”獅子座冥王星”の小三角”もあり、

激しい感情を秘めながらも他者に対して強烈なカリスマ性を持ち、

やはり、個人レベルの問題を超越し、社会を変革したいという大胆な情熱を意味する。

これら、三惑星も”火”と”風”のコンビネーションである故に、

メッセージ、思想を唱え煽動し拡散していくアスペクトになる。


彼のホロスコープには、他にも”小三角”がふたつ存在する。

個人の無意識レベルでの”快・不快”を意味する”蠍座の月”を頂点とした、

”水瓶座の水星”、”乙女座木星”の三角形と、

”獅子座冥王星”を頂点とした、”天秤座海王星”、”双子座天王星”の”三角形”である。

”音楽”という武器では無くメッセージ性で変革を求道し潜在的なユートピア思想を流布していく・・・。

その根底にあるものは、”人類愛”である。

彼自身の”粘り強い蠍座の月”は乙女座木星によって健全に肯定され、

常に物事の良い面を自然として受け止め、人生を楽しむ能力が発揮される。

これは、恐らく彼の母親からの影響であろう・・・。

どんなに困難な状況にあっても、経験的に楽観的に生きていこうとする力があり、

個人の感情と論理のバランスを保ちつつ、その力を弱き立場にある人間達にも影響していく姿勢だ。

”山羊座火星”も”蠍座の月”と60°セクスタイルなので、

社会に対する自己欲求をきちんと自己管理しながら・・・。


彼の幼少期の孤独感、疎外感というものは、

社会の底辺にいる人達に”人類愛”をポリシーにしてポジティブにメッセージを発信し続けることにより、

人生の旅での経験を重ね自己のトラウマと折り合いをつけていくことで、

父親不在の喪失感、”どこにも属せない疎外感”の空虚さを埋めていったのであろう・・・。

コンプレックスは、昇華されて・・・。